人生とはファンクである。〜Earth, Wind & Fireライブレポート〜

2025.4.22.(火)に大阪まで遥々行き、レジェンドアーティストのライブに行ってきた。Earth, Wind & Fire(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)である。

Earth, Wind & Fire – September (Official HD Video)
Earth, Wind & Fire – Let’s Groove (Official HD Video)
高校生の時に彼らの代表曲”Let’s Groove”と”September”(※上記URL)に出会ってからかれこれ約15年。聴けばもれなく体が踊り出す彼らのファンクな音楽は僕の人生に彩を与え続けてくれている。1970年代を象徴する彼らを1992年生まれの僕が語るなんて、我ながらなんと図々しいんだと思う。だが今なおこのライブの余韻が冷めぬうちに未来の自分への備忘録として残しておきたいので書かせてください。
バンド結成から約50年。8年ぶりの日本ツアーであり、さらにゲストでディスコ黄金期を共に盛り上げていたナイルロジャース&シックも参加。彼らの年齢などを考えると恐らくこれが最後のチャンスなのではないか?誰もがそう思い、何がなんでも参加したオーディエンスも少なくなかっただろう。残念ながら、メンバーのヴァーディン・ホワイトが休養が必要ということでで来日直前にツアー参加がキャンセルされてしまったが、それを感じさせないフィリップ・ベイリーとラルフ・ジョンソンを中心にバンドメンバー全員で作り上げる最高のステージがそこにはあった。
まずはナイルロジャーズ&シックがダイアナロスやデヴィットボウイ、ダフトパンクといった自身プロデュースを含むヒット曲を連発。約50分間の彼のステージは最高だったがそれを語り始めるとキリがないのでここでは割愛。
セットチェンジ休憩を挟んでEW&Fが登場。往年の名曲がダイジェスト的に流されるイントロと映像を経て“Shining Star”でスタートした。彼らのヒットを中心とした言うなら「ベスト・オブ・EW&F」なセットリスト。それらを総勢12人で展開していくステージは曲やアルバムをイメージしたカラフルな映像と共にEW&Fの世界に我々オーディエンスを没入させていた。
周りを見渡すと観客の年齢層は自分なんかより全然上。50〜60代が多かったように感じる。そんな自分の親くらいの方々が、昔のディスコ全盛期を思い出しながらまわりなんて気にせず踊っている景色はそれこそエモーショナルだった。
前半~中盤はファンクめの曲多めでゴリゴリのブリブリな感じ。70年代の曲だけでなく、活動休止~復活後の“System of Survival”もアレンジで演奏していて興奮した。かと思えばカリンバの音色が特徴の“Kalimba Story”。2020年のコロナ禍。緊急事態宣言で自宅待機を余儀なくされていた時にAmazonでカリンバを買ってディズニー音楽を練習していたのをふと思い出した。
オーディエンスがスマホのライトを灯し、会場を一つにした“Devotion”をはじめとするバラードタイム。彼らのバラード曲のなかでも格別に美しい“Reasons”あたりからは、よく知られた名曲が次々に披露されていった。

ライブもいい時間にさしかかった時ポロポロんっとピアノソロが始まった。「来たっ!“Fantasy”!」とすぐに察した。ピアノソロが進むに連れてFantasyだと気づく人が徐々に増えていき会場が高揚していく様には自然と笑顔が綻んだ。やはり“Fantasy”、イントロからこれぞEW&Fといった壮大なスケール感があって、大阪城ホールのような広い会場によく合っていた。
ここからあとはもう泣く子も黙るスーパー有名曲で盛り上がるだけだった。“Boogie Wonderland”“Let’s Groove”“September”。各曲のイントロが流れるだけで会場のみんなが声を出し飛び跳ねる。とりわけ“September”での会場の一体感たるや。そりゃもう言葉では表現出来ない多幸感がすごいものだった。

そんな“September”で大フィナーレ!かと思いきや、大どんでん返し。最後にもう1曲“In The Stone”。うん、もう思い残すことはないな。
70年代前半.中盤のブラックでファンクなEW&Fが好きだった人。その後80年前後くらいのディスコなEW&Fが好きだった人。僕の様に後追いでEW&Fを知った人。他にもさまざまな客層に分かれていたが、そこには世代などは一切関係なく会場がひとつになるEW&Fにしか作れないハピネスな空間があった。
ナイルロジャーズ&シックは約50分、EW&Fは約1時間半のなかに、彼らの偉大な50年の歴史を凝縮して見せてくれた。彼らはどちらも自分たちの歴史を見せることに意識的な構成だったような気もする。これまでの歴史があって今があると。。。
今の時代スマホ一つで音楽を簡単に聴ける。ボタン一つでいつでもそばにEW&Fがいる。素晴らしい時代じゃないか。これから先も彼らの音楽と共に踊りながらファンクに生きていきたい。
そう、人生とはファンクである。